社会福祉法人 信愛会

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命を繋ぐボランティア

今年の5月、自宅ににオレンジ色の大きな封書が届きました。差出人は日本骨髄バンクからでした。実は私は骨髄バンクにドナー登録しています。今まで定期的にニュースレターの入った小さな封書が届いていたのですが、オレンジ色の大きな封書は初めてでした。

いつもと全然違う雰囲気に包まれた封筒であったので開封するときに少し緊張しました。中身を確認すると案の定「ドナー候補者」に選ばれたと書いてありました。ドナー登録したのが2008年12月だったので6年半後の通知でした。あまりにも遅い通知だったので私のHLA型(白血球の型)と同じ人はこの世にいないのではないかと思うほどでした。

早速、中身を確認すると私のHLA型があった患者さんは「迅速コース」を希望されているとのことでした。早々に妻と二人の娘と両親に報告し、同意をもらおうとしたのですが、賛同してくれたのは長女だけでした。やはりドナーとしてのリスクを考えると賛同できないのは家族としては当然なのかもしれません。何とか妻を説得して問診票や諸々の書類を書いて返信しました。私はどこにいるともわからない型の合った患者さんの為に私の骨髄を提供出来るかもしれない、人ひとりの命を助けることができるかもしてないという熱い使命感を持っていました。

しかし、ここで勘違いしてはいけないのがあくまでも候補者の一人に選ばれただけであって、ドナーに選ばれたわけではないのです。数名の候補者がコーディネートを重ねていき最終的に1名が選ばれて骨髄提供となるのです。

結局私は昨年から毎日降圧剤を服用しているためコーディネートをすることなくお断りの書類が送られてきました。それまでの私の心の中で大きく膨らんでいた緊張感と使命感が心の中で一気にしぼんでいきました。

しかし、そんな時6年半前にドナー登録をした時の「一人でも多くの白血病で苦しんでいる人に助かってほしい」という気持ちを思い出しました。

どこの誰かは分かりませんがせっかく私と同じHLA型を持った人なので誰が提供しようと頑張って病気を克服して生きてほしいです。

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